美味しい餡の作り方

美味しい餡作りのこだわり

餡の基本材料は小豆(又は白いんげん豆)、砂糖、水飴。味の違いのポイントは、豆をどう扱うかです。だから、それぞれの豆の個性を見極め、洗いや炊き方、水の差し方などの製造工程研究が必要です。季節や天候で豆の味も変わりますし、お客様の求める餡も、昔ながらのずしり黒々あんこから、さっぱり口どけあんこまで様々です。
ないとう製餡所は希望通りの美味しい餡をお届けするため、日々豆と向きあっています。

洗う工程が一番大事

美味しい餡の作り方について、インターネットで検索すればたくさんの情報がでてきます。炊き方や渋切、砂糖や塩の加減について、職人それぞれにこだわりがあり、その違いがあんこの味の違いです。

そのなかで、あまり取り立てて言われていない工程に洗いがあります。ないとう製餡所では、この洗いの工程も重要と考えています。ちりや汚れ、輸送中に付着した化学物質など、食品には多くの要らないものがついています。これらの不要物を完璧に近いほど取り除くため、何度も洗います。こうして初めて小豆本来の味が引き出せると考えています。


炊き方のコツ

小豆は機械的に同じ時間、温度、タイミングで煮ても、同じあんこになりません。熟練の職人と経歴の浅い職人が同じように作っても微妙に味に違いがでます。理由の一つには、小豆を煮て、水を切るタイミングがあります。1分でも違うと仕上がりの味が変わるので、味を見てその見極めができたら一人前。

次に、本煮熱。煮立たせず静かに煮ると上品なあんこに、弱火でじっくりぐつぐつ煮ると小豆の旨みがぎゅっと詰まったあんこになります。

ないとう製餡所ではお客様のご希望の餡を作るため、真空釜、圧力釜、平釜と、餡の種類によって最適な釜を使い分けています。

小豆炊き職人の仕事

小豆炊き職人の一日は、日の出とともに始まります。
勤続30年以上の小豆炊き職人たちが釜に向かい、製餡を行い、午後3時ごろには仕事を終えます。
製餡工程は、洗いや渋切、餡練りなど、力仕事が続きます。
積み重ねてきた経験と先達が開発してきた製餡技術を基礎に、日々「美味しい餡」を作っています。

こし餡の製造工程

※餡の種類や仕上げ方により、炊き方が若干変わります。

1、計量・洗浄・浸漬
小豆の顔色(様子)を見て、計量し、ごみや汚れが取れるまで何度もしっかり洗う。
2、水切り、煮熱
釜に小豆を入れ、様子を見ながら煮る。
3、びっくり水、渋切
水を加え(びっくり水)、数分煮てからざるにあげ煮汁を切る(渋切)。
4、本煮熱、磨砕
釜に戻し、再び煮る。皮を取り去り、細かく濾す。
5、水晒し、冷却、脱水
付着しているでんぷん、タンニンなどの不純物を取るため水に晒す。機械で圧搾(脱水)し、生餡を作る。
6、美味しい餡、出来あがり!
砂糖を加え、用途別に仕上げます。

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